前回まで、Fusion360でマシニングセンター用のパスを出す準備までを紹介しました。
今回からは、一通りのパス作成方法を何回かにわけて説明したいと思います。
Fusion360 CAM/穴加工
サンプルモデル(stepフォーマット)、ダウンロード
前回同様に、このモデルで説明します
ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、「STEP」フォーマットのモデルを取り出します。
Fusion360 の「開く」⇒「マイコンピュータから開く」でモデルを取り込みます
加工用図面
図面はこんなイメージです。
ドリル、ポケット、面取り、負荷制御、3D加工、タップ などの機能を使用して、実際の切削加工用パスを生成します。
製造モード・セットアップ
こちらを参考に、加工設定のセットアップで加工モルを指定します
ドリル加工
まずは、ドリル加工の設定です。
ポケット内の、M6の下穴(4個)とガイドポストのΦ30の下穴(4個)のドリル加工を行います。
設定は、「ドリル」タブの「ドリル」で行います。 「穴認識」は通常はオプションの機能です。 5月まで無料で使用できるそうです。 ・工具 「工具」は、こちらを参考に設定してください。 ・ここでは、M5下穴用としては、Φ5の先端角度140°のドリル ・Φ30の下穴用は、Φ24のチップ式フラットドリルにしました。 ・図形 「図形}では、穴位置を設定します。 3Dモデルがあれば、「選択された面」で加工面を触るか 「穴モード」⇒「直径範囲」の設定ではモデルを触らずに 自動的にモデルから設定してくれます ・高さ 「高さ」では、ドリル加工の深さ関係を設定します。 「ボトム高さ」で「穴ボトム」を選択すればモデルから 自動的に深さを設定してくれます。 さらに、「ドリル先端貫通」にチェックをいれると 工具の先端角度から、自動的に先端を考慮してくれます ・サイクル かなり多くのサイクルが用意されています。 カスタムサイクルなども使用できそうですが、 今は制御機が対応している「固定サイクル」だけで対応しています。 NCデータのサイクルコードは、ポストプロセッサとの関係になります
★M6下穴(4か所)とΦ30下穴(4か所)の設定が完了しました。
ヘリカル穴加工
Φ30穴(4か所)の中仕上げ加工(取代+0.2)を行います。
金型的には、この穴は重要な穴なので、最終仕上げ前の加工です。
穴の輪郭加工では、私はヘリカル加工をよく使用します。
もう少し、取り代が少ない場合など、多刃で長い刃長の工具で、横方向からの輪郭加工する方法もあります。
「2D」⇒「ボア」機能を使います。
工具径補正にも対応していますが、径補正を利用するには、制御機に「ヘリカル補間オプション」が必要です。
対応していない制御機の場合、直線補間での対応になり工具径補正は使用できません。
別のCAMでは、ヘリカル加工は、出力できなかったり、工具径補正に対応していないCAMもありますから、この機能は重宝しています。
使ったことないですが、円柱(凸)にも使えそうですね。
では、設定していきます。
・工具 ・Φ20-R0.8 のチップ式工具にしました。 ・図形 「ボア」は「加工面」を触って指定するので、3Dモデルが必要です。 「同じ直径を選択」をチェックすると、自動的に同径が選択されます。 ・高さ 「高さ」は加工深さなどの設定ですが、モデルに面取りなど 施した場合、触った面が加工深さと違う場合があるので 注意が必要です。 ・パス ヘリカルにピッチを指定します。 一つ上の「ランプ角度を使用」にすると、傾斜の角度でも設定できます。 「補正タイプ」を「制御機」にすれば、工具径補正に対応したパスになり、 制御機で調整できます。 「複数パス」では、横からの切込みを複数回に切込みにできます。 「仕上げ代」で片側の取り代を設定します ・リンク アプローチやリトラクト、進入・退出Rなどの設定を行います。 「中心へ進入」にチェックすると、穴中心からアプローチできます
★Φ30下穴(4か所)のヘリカル加工での荒加工が完了しました。
工程名の編集
「セットアップ」ツリー内の、工程名は変更する事ができます。
工程の表題を選択後ゆっくり「クリック」すると、編集できるようになります。
ただし、ちょっと癖があり、うまく編集モードならない事があります
Windows的に、「F2」キーなどの対応を希望しています。
完成
切削加工においては、穴の加工は必須です。
ただ、結構ノウハウが必要なのも穴加工。
今回紹介した、ヘリカル加工もその一つです。
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